基本概念
パック、トラック、エイリアス、ワークスペース、プロジェクト、スコープ、クレジットの基本モデルです。
Epismo を使うときに最初に理解すべきことは、情報を 再利用するもの と 実行するもの に分けることです。再利用するものはパック、実行するものはトラックです。この分離があることで、AI エージェントは必要なコンテキストを探しやすくなり、人間は進行中の作業をタスク/ゴールとして管理しやすくなります。
パックとトラックの違い
| 判断基準 | パック | トラック |
|---|---|---|
| 目的 | 知識や手順を再利用する | 作業を進める |
| ライフサイクル | 長く残す | 完了・更新・削除される |
| 典型例 | 運用手順書、実行手順、リポジトリのメモ、プロンプトパターン | タスク、ゴール、プロジェクト計画、レビュー項目 |
| 状態管理 | 基本的に持たない | ステータス、進捗、期限、担当を持つ |
| エージェントからの使われ方 | コンテキストとして読む、手順として参照する | ツールで作成・更新して進行管理する |
「これは将来も参照される情報か?」と考えてはいならパックです。「これは完了に向かって動く作業か?」と考えてはいならトラックです。
パック
パックは再利用する成果物です。Epismo には2種類のパックがあります。
| 種別 | 構造 | 向いている内容 |
|---|---|---|
workflow |
steps[] |
手順、チェックリスト、レビュー観点、運用手順書 |
context |
blocks[] |
リポジトリのメモ、ポリシー、調査メモ、仕様の補足、FAQ |
workflow pack は「どう進めるか」を表します。たとえば「リリースレビューをするときの確認手順」「バグトリアージの進め方」「新しいエージェントスキルを作る流れ」などです。各ステップには title, content, dueDate, dependsOn, parentId, assignee を持たせられます。ステップの担当者は human またはエージェント ID です。ワークスペースのユーザー ID はワークフローステップの担当者には使いません。
context pack は「何を知っておくべきか」を表します。たとえば「チームのオンボーディングガイド」「あるポリシーの背景」「ユーザーインタビューの要約」などです。大きな context pack は、まずアウトラインを取得し、必要なブロックだけを選んで取得するとエージェントに渡すコンテキストを節約できます。
トラック
トラックは現在進んでいる作業です。トラックも2種類あります。
| 種別 | 項目 | ステータス |
|---|---|---|
task |
dueDate, status, assignee, parentId, dependsOn, goalId |
backlog, todo, in_progress, done |
goal |
dueDate, status, progress |
not_started, on_track, at_risk, postponed, completed |
タスクは具体的な作業単位です。担当者、期限、依存関係、親タスク、紐づくゴールを持てます。ゴールは成果目標です。progress は0から100の整数です。
大量のタスクを一度に作る場合は一括適用を使います。非 UUID の id は新規作成として扱われ、同じリクエスト内で dependsOn, parentId, goalId から参照できます。サーバーがラベルを実際の UUID に解決します。
エイリアス
エイリアスはパックへの読みやすい参照です。
| 形式 | 意味 |
|---|---|
@deploy-review |
自分が所有するエイリアス |
@hiroki/deploy-review |
他の handle が所有するエイリアス |
deploy-review |
自分のエイリアスを作成・削除するときに使える入力形式 |
エイリアスはパックだけを指します。トラックは UUID または UUID を含む URL で参照します。プロンプト、運用手順書、CI スクリプトでは UUID よりエイリアスの方が読みやすく、長期的に扱いやすくなります。
ワークスペース・プロジェクト・個人スペース
Epismo はワークスペースを組織の境界として扱います。ワークスペースを使わない場合は個人スペースに保存されます。ワークスペースの中にはプロジェクトがあり、プロジェクトは非公開データの共有コンテナとして使います。
CLI は次の順序で実行コンテキストを決めます。
EPISMO_TOKENにワークスペースが埋め込まれている場合はそれを使います。- それ以外では
epismo workspace use $WORKSPACE_IDで保存したデフォルトのワークスペースを使います。 - ワークスペースが選ばれていなければ個人スペースを使います。
API では対応するエンドポイントに workspaceId クエリパラメータを渡せます。MCP では Bearer トークンからワークスペースコンテキストが決まります。
スコープと共有
非公開レコードは個人スペースまたはワークスペースのプロジェクトに属します。作成・更新では scope を使います。
{ "scope": { "type": "personal" } }{ "scope": { "type": "projects", "ids": ["project-id"] } }検索では複数の非公開な場所をまとめて探せるように scopes を使います。
{
"scopes": [{ "type": "personal" }, { "type": "projects", "ids": ["project-id"] }]
}sharedWith は、スコープとは別に特定のユーザー ID または email に見せたい場合に使います。更新で scope や sharedWith を省略すると、現在のアクセス設定は維持されます。
公開範囲とクレジット
パックには visibility があります。private はスコープと共有設定に従って見える範囲を制御し、public は公開ハブで見つけられる対象になります。category は空文字、または productivity, learning, programming, design, marketing, operations, life です。
クレジットは、API、MCP、CLI の操作で使われる割り当て量です。API エンドポイント、MCP ツール、CLI コマンドの消費量は、それぞれのリファレンス表に記載しています。詳細が必要なときだけパックの全文や指定部分を取得し、まず検索結果やアウトラインを確認すると、後続のエージェントコンテキストを小さく保てます。クレジットが不足すると、クレジットが必要な操作は 402 Payment Required を返すことがあります。
よくある判断
| やりたいこと | 作るもの |
|---|---|
| 新メンバー向けのリポジトリ説明を残す | context pack |
| 毎回使うレビュー手順を保存する | workflow pack |
| 今週レビューする docs タスクを作る | task track |
| 「docs v1 を公開する」という成果を追う | goal track |
| パックを読みやすい名前で呼ぶ | エイリアス |
| チームだけに見せる | プロジェクトスコープ |
| 自分だけで試す | 個人用スコープ |