顧客と進める仕事に使う

FDE(Forward Deployed Engineer)・導入・コンサルティング・サポートチーム向けに、顧客とのチーム設定、案件の文脈共有、成果確認、プレイブックのコピーと引き継ぎを説明します。


顧客との打ち合わせで決まったこと、技術担当が検証したこと、次に確認すること。それぞれが Slack や議事録に散らばっていると、担当者が替わるたびに経緯を説明し直すことになります。

FDE(Forward Deployed Engineer)や導入・コンサルティング・サポートチームは、Epismo の案件に顧客の目標と仕事の経緯をまとめられます。次の担当者や接続済みの AI は、同じ案件を読んで対応を続けます。そこで見つかった良いやり方は、プレイブックにして次の仕事にも使えます。

このガイドでは、架空の「顧客 A の営業 AI 活用支援」をたどります。まず営業10名で試し、途中で届いた CRM 連携の追加依頼を検討し、全社展開の前に成果を確かめます。最後には、顧客が自分たちで商談準備を続けられる手順を残します。

案件に経緯を、プレイブックに手順を残す

案件は、一つの仕事を進めるための場所です。「顧客 A の営業 AI 試行を評価する」という案件に、目標、合意した範囲、打ち合わせの結果、検証、判断を積み重ねます。担当が替わっても、何が決まり、何が残っているかをここから確認できます。

プレイブックは、繰り返し使う手順です。例えば社内の「営業 AI 試行を導入・評価する」は、次の顧客の支援でも使えます。一方、顧客に渡す「商談準備」は、顧客の営業担当が日々使う手順です。誰が何をするための手順かを決めて用意します。

最初に必要なのは、支援案件一つと、それを使う社内チームです。顧客との共同チームやプレイブックは、仕事に合わせて整えていきます。

1. 目標と合意した範囲を案件にまとめる

最初の打ち合わせで「AI を使いたい」と言われたら、何が良くなれば成功なのかまで確認します。顧客 A なら、商談準備にかかる時間と提案品質が出発点です。

「顧客 A の営業 AI 試行を評価する」という案件を作り、次の情報を残します。まだ決まっていないことも書いておくと、次回の確認事項になります。

情報 例
顧客の目標 商談準備の時間を減らし、提案の精度を上げる。
合意した範囲 営業10名で試行。CRM 連携は未合意。
成果の確認方法 試行前後の準備時間と提案品質を比較し、顧客と振り返る。
顧客環境 CRM・利用ツール・データの制約と、必要なアクセス権。
判断する人 支援責任者、追加要件や全社展開を承認する人。
未確認事項 試行期間、連携の範囲、顧客側の承認者。

社内に「営業 AI 試行を導入・評価する」プレイブックがあれば、そのバージョンから案件を始められます。まだなければ、タイトルだけで始めて、支援しながら手順を整えます。

操作は最初の案件を参照してください。

2. 担当チームで使えるようにする

導入担当が顧客と話し、技術担当が接続を検証し、責任者が次の提案を決める。この人たちが同じ経緯を参照できるように、支援案件を社内チームへ編集権限で共有し、案件の担当者を決めます。

社内だけで始めてもかまいません。顧客との打ち合わせで得た情報を担当者が記録すれば、顧客が Epismo を使う前からチーム内で活用できます。

顧客とも一緒に使う場合

別々のワークスペースのメンバーも、一つのチームで共同作業できます。例えば「顧客 A 導入チーム」を作れば、双方が自分のワークスペースに所属したまま参加し、各社が自社の参加者を管理できます。

  1. 自社の管理者に、共同チームの作成と顧客の窓口へのチーム招待を依頼します。
  2. 顧客の窓口が招待を受け入れ、自分のワークスペースを選びます。その後、顧客側で必要な担当者を追加します。
  3. 顧客と使う案件・プレイブックを、そのチームへ共有します。一緒に更新するなら編集権限、読むだけなら閲覧権限にします。

顧客を自社ワークスペースのメンバーとして招待し、同じチームへ追加する方法もあります。自社側で参加者をまとめて管理したい場合に使えます。

社内の採算検討などは社内案件に残し、顧客には共有する内容を選びます。開始前に、顧客の参加者が共有した案件を開けるか一緒に確認しましょう。

招待の操作はワークスペースとチーム、権限の詳細はアクセスと権限を参照してください。

3. 次の担当者が動ける記録を残す

試行が始まり、顧客から「CRM とも連携したい」と依頼が届いたとします。この一言をそのまま残すだけでは、次の担当者は着手してよいか判断できません。

依頼を受けた経緯、現在の判断、確認待ちのこと、次の対応をまとめて記録します。根拠となる Slack スレッドや Google Drive のファイルも外部ソースとして紐づけます。

変わったこと:顧客から CRM 連携の追加依頼。
根拠:顧客の Slack 依頼と、技術担当の接続検証結果。
判断:営業10名の試行は継続。連携は範囲と納期の合意後に着手。
確認待ち:連携するデータ、追加日数、顧客側の承認者。
次の対応:導入担当が次回打ち合わせで確認し、合意内容を記録。

最初は依頼と確認事項を残し、検証や判断が進むたびに結果を追加します。技術担当は案件を読んで検証を進め、責任者はその結果から次の提案を決められます。担当が替わっても、この経緯から仕事を続けられます。

AI を接続すると、「顧客 A の案件と最近の記録を読み、次の打ち合わせに向けて、合意した範囲・未確認事項・次の対応を整理して」と依頼できます。

記録や引き継ぎの操作は案件を引き継ぐを参照してください。

4. 追加要件を判断につなげる

検証の結果、CRM 連携には追加作業が必要だとわかりました。必要な作業、納期への影響、選択肢を案件に残し、まだ調べることがあれば担当者付きのタスクにします。

例えば「CRM 連携を追加し、試行期間を一週間延ばす」と提案するなら、その内容を記録し、記録に紐づく承認タスクを承認者へ割り当てます。決定後は、合意した範囲と日程を案件へ残します。後から読む人も、どの提案が承認され、何を進めればよいか確認できます。

タスクと承認の操作は案件を引き継ぐを参照してください。

5. 顧客の目標に照らして成果を確認する

試行が動くようになったら、最初の目標に戻ります。顧客 A が知りたいのは、商談準備がどれだけ楽になり、提案の精度が上がったかです。

試行結果を案件へ残してAI レビューを依頼すると、案件の根拠を目標と照らして振り返れます。レポートを読み、目標とのずれや追加で確認すべき点を判断します。

顧客 A なら、試行前後の準備時間と提案品質の測定結果を残します。責任者がレビューと測定結果を確認し、全社展開を提案するか判断します。レビューは必要なときに依頼し、提案を採用するかは人が決めます。

6. 学びを次の案件へ活かす

顧客 A で気づいたことを案件の中だけに留めると、次の顧客でも同じ確認漏れや手作業が繰り返されます。何を改善すれば次の仕事が進めやすくなるかを考え、改善先へ渡します。

発見 改善先
試行開始時に成功基準を確認できていなかった。 社内の支援プレイブックに、開始前の確認手順を提案する。
顧客の提案に使う情報源の確認が抜けていた。 顧客の運用プレイブックに、情報源の確認手順を追加する。
毎週の成果集計に手作業が必要だった。 要望・検証結果・制約をまとめ、製品調査の案件へ引き継ぐ。

手順の改善はプレイブックへの改善提案にし、編集者が検討して新しいバージョンへ反映します。他の顧客にも使う手順へ戻すときは、顧客固有の情報を取り除きます。

操作はプレイブックを改善するを参照してください。

7. 顧客が使い続けられる手順を渡す

支援を終えた後も、顧客が日々の営業で使える形を残します。顧客向けの「商談準備」プレイブックには、使う情報源、AI に任せる作業、人が確認する箇所をまとめます。例えば、次の流れです。

  1. 営業担当が商談の目的を入力し、CRM の履歴と顧客情報を確認する。
  2. AI が情報源をもとに、提案の仮説と確認したい質問を整理する。
  3. 営業担当が情報源と提案基準を確かめ、提案を仕上げる。
  4. 利用結果を案件に残し、顧客チームで改善点を検討する。

自社に汎用の「商談前の顧客調査と提案準備」があれば、コピーして顧客 A の CRM・商材・提案基準に合わせます。コピー元とバージョンは追え、顧客向けの変更は独立して管理できます。まだなければ新しく作成します。

顧客へ共有できる内容を確認してバージョンを保存し、運用するチームへ共有します。顧客が所有・維持するなら、顧客のワークスペースで作成またはコピーします。

プレイブックを渡したら、顧客自身のツールと接続済み AI で、一件の商談準備を試します。結果を記録できること、人が確認する箇所、今後の更新担当者と相談先を確かめ、その結果を支援案件に残します。

コピー操作はプレイブックを探して使う、作成・バージョン保存・共有はプレイブックを作成してバージョンを保存するを参照してください。